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新指導要領~求められる人物像~

新学習指導要領は何が変わる?小学生・中学生・高校生別に解説

2022/5/1

新学習指導要領とは?

新学習指導要領とは何か

新学習指導要領は、文部科学省が10年ごとに更新する教育課程(カリキュラム)です。幼稚園から高等学校まで、文部科学省が指定するカリキュラムに沿って授業を進めなくてはいけません。

今回の新学習指導要領は、​​小学校:2020年度~ 中学校:2021年度~ 高等学校:2022年度実施されます。

幼稚園は、2018年度から新しい幼稚園教育要領がスタートし、特別支援学校は、小・中・高等学校学習指導要領に合わせて実施されます。


引用元:学習指導要「生きる力」ー文部科学省

学習指導要領の変遷

学習指導要領の変遷は、昭和33年から始まりました。昭和33年〜35年は、​​教育課程の基準として性格の明確化が行われました。道徳の時間の新設、基礎学力の充実、科学技術教育の向上等、系統的な学習が重視さたのです。

それから10年ごとに教育内容の一層の向上、ゆとりある充実した学校生活の実現、社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成、基礎・基本を確実に身につけさせ「生きる力」を育成させるカリキュラムに発展していきました。

50年の教育課程の変化を経て、2020年度は学びに向かう力・人間力、知識及び技能、思考力・判断力・表現力など3つの力をバランス良く育むカリキュラムが組まれています。

特に「生きる力」は重要視されています。平成10〜11年に改訂の理念に組み込まれた生きる力。これまでの10年間、生きる力を基礎に教育カリキュラムが組まれてきています。

参照元:学習指導要領の変遷ー文部科学省

【年代別】新学習指導要領で何が変わる?

今回の学習指導要領では、小学生からレベルの高い教育が求められています。高校生に関しては、大学受験の変更に合わせて、教科数や授業内容が大幅に変わりました。

ここからは、年代別に新学習指導要領で何が変わるのか解説していきます。

小学生

小学生では、英語(外国語)、プログラミング教育、道徳の3教科が変わりました。

英語(外国語)は、評価が伴う正式な教科になりました。3年生から「外国語活動」が始まります。4年生までの2年間で「聞く」「話す」のコミュニケーションを習得します。

3,4年生は35時間の授業。5年生からは年間70時間の英語の授業を受けます。

プログラミング教育も英語学習と同様、今回の改定で必修科目になりました。

プログラミング授業の必修化は、2020年12月かプログラミング能力検定が開始予定されていたことに関係しています。2024年度の大学入試共通テストで、プログラミング科目の必修化を目指して、小学校から取り入れていきます。

道徳は、いじめ問題への対応のために改定が行われました。​​

従来の「道徳的価値の自覚及 び自己の生き方についての考えを深めること」が,学習活動を具体化して「 徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考 え,自己の生き方についての考えを深める学習」に変更されました。

参考元:特別の教科道徳編ー文部科学省
学習指導要「生きる力」ー文部科学省

中学生

中学生の学習内容で変更される内容は、英語とプログラミング教育です。

英語は、コミュニケーション能力の向上が重視されています。自分で考えて発言し、他国の文化を尊重できるようになるように、4技能(スピーキング、ライティング、リスニング、リーディング)のバランス良い学力の向上が重要視されているのです。

プログラミング教育は自分でどのようにソフトを使うか判断できるように、より能動的なスキルが求められます。問題解決能力育成のために、今までより高度な学習内容になります。

参考元:中学校学習指導要領解説ー文部科学省

高校生

高校生は、国語、数学、理科、地理歴史公民、外国語科目、家庭科、情報、総合などの9教科で変更されます。

国語は、「情報の扱い方の理解を深めること」「日本言語の伝統と文化を学ぶこと」「自分で考えること」を重要視する学習が取り入れられます。科目は、​​現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究に変更されました。

英語は、「円滑なコミュニケーション」の強化が図られます。そのため、英語表現の科目が、倫理・表現に変更されました。

地理歴史公民は、「社会的な見方や考え方の育成」「基本的な知識と技能の習得」が変更点されます。教科内容は、歴史総合、世界史探究、日本史探究、地理総合、地理探究、公共、倫理、政治・経済に変更になりました。

また、今回の学習指導要領の変更では「生きる力」も押さえておく必要があります。平成10年から継承されている学習カリキュラムの根底にある考えだからです。

学習指導要領「生きる力」とは?確かな学力、3つの柱についても解説」では、生きる力や高校生の変更点をさらに詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。

参考元:​​高等学校学習指導要領解説ー文部科学省

新学習指導要領の3観点とは?

3観点は、評価の観点を指します。3つの評価は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に取り組む態度」です。現行は、「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」だった4つの評価でした。

ここからは、新学習指導要領の3観点を解説します。3観点を理解して、授業や試験内容を工夫していきましょう。

知識・技能

「知識・技能」は、個別の知識と技能の習得状況の評価です。評価のポイントは、新しく得た知識を既有知識と技能と結び付けて、理解や習得ができているか判断します。

文部科学省が提示する評価の工夫例を見てみましょう。ペーパーテストでは、知識の習得を問う問題と知識の概念的な理解を問う問題を設けます。

また、テストでは児童生徒に文章を使って説明してもらったり、観察実験をさせたり、グラフや式を使って表現させたりするのも良いでしょう。

1問1答形式で答えられる単純な知識確認だけでなく、他教科とも結びつけて活用できるような概念的な回答が求められます。

また、知識・技能では、「何を知っているか、何ができるか」という部分が重要視されます。各教科の体系的に理解と応用力を身に付けられるように指導しましょう。

主要5教科だけではなく、技術や体育などスキルを身につける科目についても同様です。

参考元:新学習指導要領の全面実施と 学習評価の改善についてー文部科学省

思考・判断・表現

「思考・判断・表現」では、各教科の知識及び技能を活用して、課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力を身につけているかどうか判断します。

文部科学省が提示する評価の工夫例を見てみましょう。論述やレポートの作成、発表、グループでの話し合いなど多様な活動を取り入れることが挙げられています。また、ポートフォリオの作成も推奨されています。

さらに思考・判断・表現では、問題解決能力を養うことが重要視されています。問題に対して論理的に考える力や、仲間と協力しながら問題に取り組む表現力などを身に付けなくてはいけないからです。各教科の知識や技能を問、題解決に向けて応用できるようになることも大切です。

参考元:新学習指導要領の全面実施と 学習評価の改善についてー文部科学省

主体的に取り組む態度

「主体的に取り組む態度」の評価は2つに分けられます。

1つ目は、知識や技能を習得して、思考力、判断力、表現力を身に付ける評価です。2つ目は、自ら学習を調整しようとしているかどうかの評価です。

しかし、主体的評価の中には感性や思いやり等、観点別学習の評価定評になじまない部分があります。そのため個人内評価として、児童生徒の一人ひとりの良い点や可能性、進歩の状況について評価します。

文部科学省が提示する評価の工夫例を見てみましょう。ノートやレポートにおける記述や授業中の発言、教師による行動観察などが挙げられています。

また、​​主体的に取り組む態度は、教科教育にとらわれない人間教育を指すこと覚えておきましょう。多様性を理解して仲間と協力する力や、自分の感情をコンロールする力、他人への優しさ、思いやりなどを伸ばすことが重要と言えます。

参考元:新学習指導要領の全面実施と 学習評価の改善についてー文部科学省

最後に

「学習指導要領ってなに?」「なにが変わったの?」と不安を持つ保護者の方に向けて解説しました。私も今も勉強中です。

今回の学習要領の改訂は、急速に発展する現代社会に合わせて大幅に変更されています。子どもの気づき・考え・実行できる「求められる人物像」になるために、今後も情報発信をしていきます。

免責事項

こちらの情報は現段階での情報収集・状況において書いたされたものであり、随時内容の更新を行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承ください。

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